第5回 マイクロ法人と社会保険|老後資金とのバランスを考える

税金と社会保険

こんにちは。最近、合同会社を設立したばかりの私です。

同じように「マイクロ法人ってどうなのかな?」と気になっている方へ、私が学びながら感じたことを、伴走する気持ちでお伝えしていきます。

今回のテーマは、「マイクロ法人と社会保険、そして老後資金のバランス」 です。

「法人にすると社会保険料が高くなる」

「個人事業主は国民年金も健康保険料もある」

そんな声をよく耳にします。でも実際には、目先の支出だけで判断するのは少し危険かもしれません。社会保険は単なる「コスト」ではなく、老後の年金・医療保障・安心感 につながる大事な仕組みだからです。


マイクロ法人と社会保険の関係

マイクロ法人を設立すると、原則として「会社の役員」として 厚生年金と健康保険 に加入することになります。

一方、個人事業主は 国民年金と国民健康保険

ここでよく比較されるのが「毎月の保険料の負担」です。

  • 国民年金:定額(約17,000円/月くらい)

  • 厚生年金:所得に応じて増える(役員報酬が基準)

「厚生年金は高い」と感じるのも自然ですが、同時に次のような違いもあります。

  • 厚生年金 → 将来受け取れる年金額が大きい

  • 健康保険 → 医療費の自己負担が軽減され、扶養制度もある

つまり「負担が増える=将来の受取や安心が増える」ともいえるのです。


老後資金を考えるときのポイント

FPの視点で見ると、老後資金をどう準備するかは 「自己資産で備える」か「社会保険で備える」か のバランスを取ることだと考えます。

  • 国民年金だけ → 将来の受取は少ない → 自分で投資や貯金を多めに準備する必要がある

  • 厚生年金あり → 保険料は高いが、将来の年金が増える → 自助努力は少し軽くできる

また、マイクロ法人を使えば 役員報酬を調整 することで、社会保険料をある程度コントロールすることも可能です。

例えば、報酬を低めに設定し、必要に応じて配当や事業収入を組み合わせることで「負担と保障のバランス」を工夫できます。


老後の安心と今の生活費のバランス

私自身も合同会社を設立して、「あれ、社会保険料こんなにするの?」と驚きました。

でも冷静に計算してみると、将来の年金額や扶養制度による家族の安心を考えると、完全に「無駄」ではないと気づきます。

一方で、日々の生活資金を圧迫してしまっては本末転倒です。

だからこそ大事なのは、

  1. 社会保険で確保できる老後資金(年金)を把握する

  2. 足りない分は投資・貯蓄で補う

  3. 法人の役員報酬を調整しながら、今と将来のバランスを探る

この3つです。


具体的な工夫の例

  • 年金ネットで「将来の年金見込み額」を確認する

  • iDeCoやNISAなどの自助努力を法人活用と組み合わせる

  • 健康保険の扶養制度を上手に使って家族全体の負担を調整する

こうした工夫を積み重ねることで、単に「法人化は保険料が高い」という印象から、「法人化によって得られる安心をどう活かすか」という視点に切り替えられます。


まとめ

マイクロ法人と社会保険の関係は、最初は少し複雑に見えるかもしれません。

ですが整理するとシンプルで、要は 「今の支出」と「将来の安心」をどう配分するか」 ということです。

  • 国民年金だけに頼ると、将来は自分で多めに準備が必要

  • 厚生年金に加入すれば、今の負担は増えるけれど将来の安心は厚くなる

  • 法人なら報酬設計を工夫できるので、バランスを取る余地がある

私自身もまだ模索中ですが、「一緒に考えていきましょう」というスタンスで情報を共有していきたいと思います。