マネーフォワードの法人設立サービスを使ってみた
今回は、役所に届け出したときのことを書いてみたい。
何回か前にも書いたんだけど、法人設立の準備段階で使ったのが「マネーフォワード クラウド会社設立」。無料で使えるし、画面の案内に沿って進めるだけで、必要書類がほぼ揃う。
定款作成(行政書士)へのお願いも、基本無料!テンプレートに事業目的や決算期を選んで入力するスタイル。
電子定款だったので、紙ではなくPDFデータをFD(フロッピーディスク!)に保存して、法務局に提出する必要があった。
今どきFDって…と思ったけど、法務局ではまだ現役。USBじゃダメなんです。
登記予定日は事前に確認できる
法務局のホームページでは、登記予定日があらかじめ確認できる。
これが地味に便利だった。
「この日に登記完了するなら、翌日には印鑑カードを取りに行けるな」と、スケジュールが立てやすい。
参考:法務局「登記完了予定日」
→ 登記申請の流れ(法務局)
オンライン申請は使わず、紙で提出
本来なら、登記申請もオンラインでできる。
でも今回はマネーフォワードのサービスを使ったので、紙ベースで提出する流れになった。
申請書類一式を印刷して、法務局に持参。
窓口で提出すると、担当者がざっと確認してくれて「問題なければ、○日が登記日になります」と案内してくれた。
印鑑カードの登録と証明書の取得
登記が完了したら、法務局に再訪して印鑑カードの登録。
これはその場で即日発行してもらえた。
法人の印鑑証明書を取得するために必要なカードで、いわば“会社の身分証”。
印鑑カードがあれば、法務局内の端末から謄本や印鑑証明書を請求できる。
しかも、窓口申請よりも安い。
書類名 | 窓口申請 | 端末申請 | 差額 |
---|---|---|---|
履歴事項全部証明書(謄本) | 600円 | 490円 | 110円 |
印鑑証明書 | 500円 | 420円 | 80円 |
※2025年9月現在の料金。詳細は法務局の料金表参照
→ 手数料一覧(法務局)
端末はタッチパネル式で、操作も簡単。
印鑑カードを差し込んで、必要な書類を選ぶだけ。
申請後は窓口で受け取るが、待ち時間も短くて快適だった。手数料は窓口で収入印紙を買ってお支払い。クレジットカードは使えず現金払い。郵便局で収入印紙を買う時も現金のみ。
税務署への届け出は紙で提出
次は税務署。ここでは「法人設立届出書」「青色承認申請書」などを提出。
事前にマネーフォーワード設立からプリントアウトしておいた。
控えも用意しておくこと。
税務署の窓口の人は思ったより親切だった。
年金事務所への届け出も必要
税務署の次は年金事務所。
ここでは「健康保険・厚生年金保険 新規適用届」などを提出。
法人として従業員(=自分)を雇用する形になるため、社会保険の加入が必要になる。
提出書類には、登記簿謄本の原本が必要。コピーでは受け付けてもらえない。
このため、法務局で取得した謄本をそのまま持参した。
年金事務所の窓口では、担当者が丁寧に説明してくれた。
「ひとり法人でも加入義務があります」とのこと。
このあたりは誤解されがちなので、しっかり確認しておくと安心。
県税・市税の届け出は郵送で対応
県税事務所と市税事務所が離れているため、直接持参は断念。
それぞれのホームページから様式をダウンロードし、郵送で提出することにした。
郵送時には、登記簿謄本のコピーを添付。税務署は謄本の添付はいらないけど県と市はいるみたい。官公庁によっても色々と違う。ややこしい。
返信用封筒も同封し、受領印付きの控えを返送してもらうようにした。
手間はかかるが、移動時間や交通費を考えると合理的な選択だった。
実はオンラインで一括申請できる制度もある
今回の設立では紙ベースで進めたけど、実は「法人設立ワンストップサービス」という制度を使えば、登記から税務署・年金事務所などへの届け出まで、オンラインで一括申請できる。
これはデジタル庁が運営するサービスで、マイナンバーカードとICカードリーダーがあれば利用可能。
ただし、定款などの書類は自分で準備する必要があるし、社会保険関係は結局紙で提出することになるケースもある。
参考:国税庁「法人設立ワンストップサービス」
→ 法人設立ワンストップサービス(国税庁)
今回は使わなかったけど、次に何か手続きがあるときは検討してみようと思う。
まとめ:設立手続きは“やってみれば何とかなる”
ひとり法人を設立するなんて、最初は不安しかなかった。
でも、実際にやってみると「案外できるもんだな」と思えた。
マネーフォワードのサービスや、法務局・税務署の対応にも助けられた。
役所まわりは面倒だけど、ひとつずつクリアしていくと、会社が“形”になっていくのがわかる。
印鑑カードを手にした瞬間、ちょっと感動したのは内緒。
これから設立を考えている人の参考になればうれしいです。