50代でひとり法人設立|設立届を出した日、役所で感じたこと

【実践編】会社の作り方・運用

マネーフォワードの法人設立サービスを使ってみた

今回は、役所に届け出したときのことを書いてみたい。

何回か前にも書いたんだけど、法人設立の準備段階で使ったのが「マネーフォワード クラウド会社設立」。無料で使えるし、画面の案内に沿って進めるだけで、必要書類がほぼ揃う。
定款作成(行政書士)へのお願いも、基本無料!テンプレートに事業目的や決算期を選んで入力するスタイル。

電子定款だったので、紙ではなくPDFデータをFD(フロッピーディスク!)に保存して、法務局に提出する必要があった。
今どきFDって…と思ったけど、法務局ではまだ現役。USBじゃダメなんです。


登記予定日は事前に確認できる

法務局のホームページでは、登記予定日があらかじめ確認できる。
これが地味に便利だった。
「この日に登記完了するなら、翌日には印鑑カードを取りに行けるな」と、スケジュールが立てやすい。

参考:法務局「登記完了予定日」
登記申請の流れ(法務局)


オンライン申請は使わず、紙で提出

本来なら、登記申請もオンラインでできる。
でも今回はマネーフォワードのサービスを使ったので、紙ベースで提出する流れになった。
申請書類一式を印刷して、法務局に持参。
窓口で提出すると、担当者がざっと確認してくれて「問題なければ、○日が登記日になります」と案内してくれた。


印鑑カードの登録と証明書の取得

登記が完了したら、法務局に再訪して印鑑カードの登録。
これはその場で即日発行してもらえた。
法人の印鑑証明書を取得するために必要なカードで、いわば“会社の身分証”。

印鑑カードがあれば、法務局内の端末から謄本や印鑑証明書を請求できる。
しかも、窓口申請よりも安い。

書類名窓口申請端末申請差額
履歴事項全部証明書(謄本)600円490円110円
印鑑証明書500円420円80円

※2025年9月現在の料金。詳細は法務局の料金表参照
手数料一覧(法務局)

端末はタッチパネル式で、操作も簡単。
印鑑カードを差し込んで、必要な書類を選ぶだけ。
申請後は窓口で受け取るが、待ち時間も短くて快適だった。手数料は窓口で収入印紙を買ってお支払い。クレジットカードは使えず現金払い。郵便局で収入印紙を買う時も現金のみ。


税務署への届け出は紙で提出

次は税務署。ここでは「法人設立届出書」「青色承認申請書」などを提出。
事前にマネーフォーワード設立からプリントアウトしておいた。
控えも用意しておくこと。

税務署の窓口の人は思ったより親切だった。


年金事務所への届け出も必要

税務署の次は年金事務所。
ここでは「健康保険・厚生年金保険 新規適用届」などを提出。
法人として従業員(=自分)を雇用する形になるため、社会保険の加入が必要になる。

提出書類には、登記簿謄本の原本が必要。コピーでは受け付けてもらえない。
このため、法務局で取得した謄本をそのまま持参した。

年金事務所の窓口では、担当者が丁寧に説明してくれた。
「ひとり法人でも加入義務があります」とのこと。
このあたりは誤解されがちなので、しっかり確認しておくと安心。


県税・市税の届け出は郵送で対応

県税事務所と市税事務所が離れているため、直接持参は断念。
それぞれのホームページから様式をダウンロードし、郵送で提出することにした。

郵送時には、登記簿謄本のコピーを添付。税務署は謄本の添付はいらないけど県と市はいるみたい。官公庁によっても色々と違う。ややこしい。
返信用封筒も同封し、受領印付きの控えを返送してもらうようにした。

手間はかかるが、移動時間や交通費を考えると合理的な選択だった。


実はオンラインで一括申請できる制度もある

今回の設立では紙ベースで進めたけど、実は「法人設立ワンストップサービス」という制度を使えば、登記から税務署・年金事務所などへの届け出まで、オンラインで一括申請できる。

これはデジタル庁が運営するサービスで、マイナンバーカードとICカードリーダーがあれば利用可能。
ただし、定款などの書類は自分で準備する必要があるし、社会保険関係は結局紙で提出することになるケースもある。

参考:国税庁「法人設立ワンストップサービス」
法人設立ワンストップサービス(国税庁)

今回は使わなかったけど、次に何か手続きがあるときは検討してみようと思う。


まとめ:設立手続きは“やってみれば何とかなる”

ひとり法人を設立するなんて、最初は不安しかなかった。
でも、実際にやってみると「案外できるもんだな」と思えた。
マネーフォワードのサービスや、法務局・税務署の対応にも助けられた。

役所まわりは面倒だけど、ひとつずつクリアしていくと、会社が“形”になっていくのがわかる。
印鑑カードを手にした瞬間、ちょっと感動したのは内緒。

これから設立を考えている人の参考になればうれしいです。