はじめに
「法人を設立したいけど、何から始めればいいのか分からない」
法務局、税務署、年金事務所…それぞれに書類を出す必要があるし、窓口も違う。
私は「マネフォーワード会社設立」を使いましたが、後から知ったこんな方法もあるんだなということで情報共有もこめて、手続きの流れや必要なもの、注意点などをまとめてみました。
今は、「法人設立ワンストップサービス」という便利なものがあるんです。
法人設立ワンストップサービスとは?
これは、マイナポータルを使って、法人設立に必要な複数の行政手続きを一括でオンライン申請できるサービスです。
対象となる機関は以下の通り:
| 機関名 | 主な手続き内容 |
|---|---|
| 法務局 | 設立登記、定款認証 |
| 税務署 | 法人設立届出、青色申告承認申請など |
| 年金事務所 | 健康保険・厚生年金の新規適用届 |
| ハローワーク | 雇用保険の適用届など |
| 地方自治体 | 地方税の届出(県税・市税) |
これまでは、各機関にそれぞれ出向いて書類を提出する必要がありましたが、今はマイナポータル上で一括申請が可能です。
ちなみに私は、アナログなので全部紙で提出しました。時間や労力の差はかなりのもんでしょう。
利用に必要なもの
オンライン申請には、以下の準備が必要です:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| マイナンバーカード | 法人代表者本人のもの。電子署名に使用 |
| ICカードリーダー | パソコンで申請する場合に必要(スマホなら不要) |
| インターネット環境 | マイナポータルにアクセスできる端末 |
| GビズID(任意) | 補助金申請や電子申請に使える共通ID |
GビズIDは、法人設立後に取得しておくと便利です。
補助金申請や電子契約、各種行政サービスのログインに使える“法人の共通鍵”のようなものです。
手続きの流れと所要時間
実際の流れは以下のようになります:
- マイナポータルにログイン
- 「法人設立ワンストップサービス」を選択
- かんたん問診に答える(業種や従業員数など)
- 必要な手続きが自動表示される
- 各種書類を入力・添付して申請
- 申請完了後、進捗状況をオンラインで確認可能
所要時間は、書類が揃っていれば1〜2時間程度。
登記完了までは通常3〜5営業日。税務署や年金事務所の処理はそれぞれ数日〜1週間程度かかります。
法務局でできること
法務局では、法人の設立登記と定款認証が主な業務です。
電子定款を使えば、印紙代4万円が不要になるため、コスト面でもメリットがあります。
| 手続き項目 | 方法 | 所要時間(目安) |
|---|---|---|
| 設立登記申請 | オンライン可 | 約3〜5営業日 |
| 定款認証 | 電子定款推奨 | 即日〜翌営業日 |
| 印鑑カード登録 | 登記完了後に | 即日(窓口) |
税務署でできること
税務署では、法人設立届出書や青色申告の承認申請などを提出します。
ワンストップサービスでは、以下のような手続きが一括で可能です:
- 法人設立届出書
- 青色申告の承認申請
- 源泉所得税の納期特例申請
- 消費税の課税事業者選択届出
- 適格請求書発行事業者の登録申請(インボイス制度)
これらはすべて、マイナンバーカードを使って電子申請できます。
紙で提出する場合は、控えに受付印がもらえないこともあるので注意が必要です。
年金事務所でできること
法人を設立すると、社会保険(健康保険・厚生年金)の加入義務が発生します。
従業員がいなくても、代表者が報酬を受け取る場合は加入対象になります。
提出書類は以下の通り:
| 書類名 | 備考 |
|---|---|
| 健康保険・厚生年金保険 新規適用届 | 登記簿謄本の原本が必要 |
| 被保険者資格取得届 | 代表者や従業員の情報を記載 |
これらも、法人設立ワンストップサービスで一括申請が可能です。
ただし、書類の原本提出が必要な場合は郵送や窓口対応になることもあります。
(GビズID)と補助金の関係
法人設立後に「GビズID」を取得しておくと、補助金申請がスムーズになります。
たとえば、IT導入補助金や事業再構築補助金などは、GビズIDでログインして申請する形式です。
| 補助金名 | GビズID必要 | 備考 |
|---|---|---|
| IT導入補助金 | 必須 | ホームページや業務効率化に活用可能 |
| 事業再構築補助金 | 必須 | 新規事業や設備投資に活用可能 |
GビズIDは無料で取得でき、法人設立ワンストップサービスの中でも申請可能です。
まとめ:ひとり法人でも迷わず進めるために
法人設立は、やることが多くて不安になりがちです。
でも、法人設立ワンストップサービスを使えば、必要な手続きを一括で進められる。
マイナンバーカードとネット環境さえあれば、窓口に行かずに完了できるのは本当に助かります。
補助金申請や社会保険加入など、設立後のステップも見据えて準備しておくと、後々ラクになります。
「ひとり法人だからこそ、効率よく・確実に」
そんな働き方の第一歩として、ワンストップサービスは心強い味方です。
【参考リンク】
法人設立ワンストップサービス(国税庁)

