資産管理会社のメリット・デメリット|FP1級がわかりやすく解説

相続・事業承継とお金

執筆:ひまわりFP

はじめに:法人化は「節税マジック」じゃないよ

「資産管理会社を作れば節税できるらしい」――
こんな話を聞いたことはありませんか?

50代を迎えて、ふと考えることがあります。

  • 老後の生活、ちゃんと大丈夫かな…
  • 子どもに迷惑をかけずに資産を残せるかな…
  • 税金がいっぱい取られないかな…

マイクロ法人という言葉は、そんな不安を抱える世代には、とても魅力的に響きます。

私も実際に会社を設立しましたが、実感したのは
「これは魔法じゃなく、仕組みである」 ということです。

この記事では、FPとして学んだ知識と、自分で会社を作った経験をもとに
資産管理会社の仕組みやメリット・デメリットを、わかりやすく整理してお伝えします。


資産管理会社って何?

簡単に言うと、資産管理会社とは
不動産や株などの財産を法人名義で管理・運用する会社です。

  • 株式会社や合同会社の形をとる
  • 「法人という財布」を作るイメージ

例:
賃貸アパートや株を法人に移して、家賃や配当を法人の収入に。
管理費や税金、家族への役員報酬も法人の経費として扱えるようになります。


資産管理会社が注目される理由

  1. 個人の税率は高い
    累進課税で最大45%
  2. 法人税は低い
    中小企業なら800万円以下で約15%
  3. 家族に給料を分けられる
    役員報酬として所得分散が可能

特に、不動産収入や株の配当が大きい人には、税金対策として合理的です。


メリット

  • 節税の可能性:社宅や車などを法人経費にできる
  • 相続税対策:法人株式として評価することで相続財産の評価額を抑えられる
  • 所得分散:家族に役員報酬を支払うことで世帯全体の税負担を減らせる

デメリット(注意点)

  • 設立・維持コスト:登記費用10〜20万円、均等割7万円/年、税理士費用20〜50万円
  • 事務作業の増加:決算・帳簿管理・税務処理が必要
  • 財産の出し入れ制約:一度法人に移すと個人に戻すのは難しい
  • 税務署リスク:節税目的だけの“ペーパーカンパニー”と判断される可能性

こんな人に向いている

  • 不動産・株収入が年間500万円以上ある人
  • 将来、相続税がかかる規模の財産を持つ人
  • 手間やコストをかけても長期で資産を守りたい人

逆に向いていない人

  • 資産や収入が少なく、節税効果が薄い人
  • 事務作業を避けたい人
  • 「とにかく今年の税金だけ減らしたい」人

まとめ:法人設立は「資産ポートフォリオ」の一部

資産管理会社は、節税の魔法ではなく、
「未来の安心をつくる仕組み」 です。

50代からの法人化は、相続や事業承継とも関わります。
最初の一歩は、自分の目的を明確にすること

そのうえで、信頼できる専門家と相談しながら、
あなたの資産計画に合った仕組みを整えてください。

法人は、あなたの大切な財産を守り、未来につなげる 強力な器 になります。


ご案内

本記事は一般的な知識と経験に基づく内容です。
状況によって最適な選択肢は異なりますので、必ず専門家にご相談ください。


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