はじめに:働く人の「もしも」に備える
こんにちは、ひまわりFPです。
会社員や法人経営者として働くとき、体調不良やケガは想定外のリスクです。
そんなときに頼りになるのが、傷病手当金という制度です。
社会保険に加入していれば、最大1年6か月間、標準報酬日額の約2/3が支給されます。
私も早朝の散歩で通勤者の姿を見かけるたび、健康で働けることのありがたさを感じます。
自由に働ける法人経営者であっても、体が動かなければすべてが台無し。
傷病手当金は、働けなくなったときの生活のセーフティネットとして知っておく価値があります。
傷病手当金とは?FP的整理
傷病手当金の基本情報
- 対象者:健康保険に加入している被保険者(会社員、被用者)
- 支給額:標準報酬日額の約2/3
- 支給期間:最長1年6か月
- 条件:労災対象外(業務外)の病気やケガで仕事に就けず、給与が支払われない期間
休業が連続する3日を含み4日以上
ポイントは、給与が全額支給されている期間は対象外という点です。
無理に休まず給与を受け取っている状態では、手当金は支給されません。
傷病手当金の一般的な計算例
例えば、標準報酬日額が 1日あたり1万円 の場合を考えます。
- 支給額は 1万円 × 2/3 ≒ 6,667円/日
- 1か月(30日)休んだ場合の手当金は 6,667円 × 30日 ≒ 200,010円
- 最長で 1年6か月(約547日) 支給される場合、総額は 約3,645,000円 となります。
※あくまで一般例です。標準報酬日額は加入している社会保険の給与に基づき決まります。
※実際の支給日数や金額は、休業状況や給与支給の有無によって変わります。
法人役員は対象になる?FP的視点
一人法人や役員報酬を受けている場合も、条件次第で傷病手当金の対象になることがあります。
ただし、以下の点に注意してください。
- 役員報酬が社会保険加入の基礎
社会保険未加入や報酬ゼロでは対象外です。 - 報酬の性質
定期的な給与として支給されていることが条件です。
ボーナスや一時金は計算に含まれません。 - 実務的な判断は保険者次第
会社の形態や報酬の形態によって支給可否が変わる場合があります。
申請前に、加入している健康保険組合や協会けんぽに必ず確認してください。
FPが伝えたい活用ポイント
- 急な休職でも生活費を一定程度カバーできる
- 心身の回復に専念できる
- 法人経営で社会保険に加入するメリットを再認識できる
法人経営者にとって、社会保険への加入は単なる年金や医療保障だけでなく、働けなくなったときのリスク対策としても機能します。
制度活用の注意点
- 受給には勤務不能期間や医師の診断書が必要
- 役員報酬の形態が不適切だと対象外になる場合あり
- 支給期間や金額の計算は標準報酬日額に基づくため、理解しておくことが重要
FPの立場からは、制度の仕組みを正確に理解した上で、ライフプランや法人運営に組み込むことを推奨します。
まとめ:リスクを見越した法人運営の一手
傷病手当金は、「働けなくなるリスク」を前もって制度でカバーする仕組みです。
法人設立や役員報酬の設定を考える際、この制度を活用できるかどうかも含めてライフプランを設計することが、50代以降の経営者にとって重要です。
健康で働けることを前提に経営や資産形成を考えるのではなく、健康という最大の資産を守る仕組みも同時に整えることが、賢い法人経営の基本です。
【さらに深く知る】
傷病手当金の計算方法や支給条件、法人役員の場合の取り扱いなど、社会保険制度全般はブログ本編で詳しく解説しています。
ライフプランや事業運営の参考にしてください。
【ご注意】
この記事は一般的な知識や経験に基づきまとめています。
最終的な判断や手続きは、必ず税理士・社労士などの専門家にご確認ください。


